【トヨタ】セリカ(2代目A40/50型)

スペシャリティカー市場を切り拓いたセリカの2代目モデルは、空力に優れたボディスタイルを用いた高性能なクルマに仕上げられ、1977年にデビュー。

好調な販売を見せ、スペシャリティカーの王座に君臨するかと思われましたが、最大のライバルとなる3代目シルビアが登場すると、その座は危ういものとなりました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Beasts of the Past(@beasts_of_the_past)がシェアした投稿

 

 

 

 

 


トヨタセリカ(2代目A40/50型)の歴史】

 

 

実用性の高い量産車のシャシーに、スタイリッシュなボディを被せた北米のスペシャリティカー。これを国内でいち早く採用したのがトヨタで、カリーナ(初代A10型)とシャシーを共用し、スポーティな2ドアクーペのボディを纏ってデビューしたのがセリカ(初代A20/30型)でした。

kuruma-bu.hatenablog.com

 

ハッチゲートを有したハッチバッククーペの「リフトバック」や、2.0LのDOHCエンジンを搭載した「2000GT」などを追加してラインナップを拡充した一方、ライバル車の登場や、オイルショックや排ガス規制によるスポーツカー離れなどにより、次第にセリカの売上は落ち始め、2代目モデルが開発されました。

シャシー周りは、基本的に初代モデルを踏襲しつつ改良されて採用されました。サスペンション形式も初代と同様で、フロントがマクファーソン式、リアが4リンク式。

エンジンラインナップは、シングルキャブレターで90psの「2T-U型(直列4気筒OHV・1588cc)」、希薄燃焼方式を採用した88psの「12T-U型(直列4気筒OHV・1588cc)」、電子制御燃料噴射方式(EFI)で110psを発揮する「2T-GEU型(直列4気筒DOHC・1588cc)」、98psの「3T-U型(直列4気筒OHV・1770cc)」、シングルキャブレターで100psの「18R-U型(直列4気筒SOHC・1968cc)」、ツインキャブレターで130psを引き出す「18R-GU型(直列4気筒DOHC・1968cc)」と、6種類が発売当初から用意されました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

JCCS(@japaneseclassiccarshow)がシェアした投稿

ボディタイプは先代同様にクーペとリフトバックの2種類を設定。サイズは全長4330/4410mm×全幅1635/1640mm×全高1305/1310/1315mmで、一回り大きくなりました。
スタイリングは、スラント形状に仕上げられたノーズ、三次元曲面サイドウインドウが特徴的な、空力性能を重要視したもので、アメリカのデザインオフィスが担当しました。

1977年8月にデビューし、販売成績や評判は上々。特に18R-GU型を搭載したトップモデルの「2000GT」の走りは好評で、レスポンスの良さや優れたコーナーリング性能を発揮しました。

同年11月には、1.8LのMT車が昭和53年排ガス規制適合の「13T-U型(直列4気筒OHV・1770cc)」に変更され、出力は95psとなりました。

1978年3月、国産車初となるサンルーフ仕様車をリフトバックに追加。後にクーペにも追加されました。

翌月の4月には、6気筒エンジンを搭載した上級シリーズの「セリカXX」を発売。国内外で大ヒットしていた日産・フェアレディZに対抗したものでした。

1978年5月には、1.8LのAT車も13T-U型エンジンに変更となりました。2T-GEU型エンジンも昭和53年排ガス規制に適合し、出力は115psに向上。
さらに、GT系のグレードに装備されていた衝撃吸収ウレタンバンパーが、GT系以外の全グレードでオプション設定されました。

1978年9月、105psを発揮するEFIエンジン「3T-EU型(直列4気筒OHV・1770cc)」搭載車を追加。他のエンジンも排ガス規制に適合すべく、18R-GU型はEFI化され「18R-GEU型(直列4気筒DOHC・1968cc)」となり、135psにパワーアップ。18R-U型は105psの「21R-U型(直列4気筒SOHC・1972cc)」に変更となりました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Patrick Murphy(@thecararchives)がシェアした投稿

1979年8月にマイナーチェンジを受け、丸型4灯式だったヘッドライトは角形4灯式となったほか、リアコンビネーションランプのデザインも変更されました。
この時に採用された刺激的なキャッチコピーが「名ばかりのGT達は、道を開ける」であり、SOHCエンジンでGTを名乗っていた日産・スカイライン(5代目C210型)を挑発したものでした。

1980年1月には、セリカの4ドアセダン版としてセリカカムリ(初代A40/50型)が登場。

kuruma-bu.hatenablog.com

 

1980年8月、リフトバックのGT系グレードのリアサスペンションを、セリカXX同様のセミトレーリングアーム式に変更し、14インチホイールを装着。
また、21R-U型搭載車のATが3速から4速に変更されました。

1981年7月、フルモデルチェンジを受け3代目A60型にバトンタッチ。来たる1980年代に向けて1979年に発売された日産・シルビア(3代目S110型)と、その姉妹車であるガゼール(初代S110型)が大ヒットする中で、新世代のA60型でこれに対抗しましたが、個性の強いデザインが一因となり販売成績は低迷しました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Straight Outta Japan(@straightouttajapanco)がシェアした投稿

一世を風靡した初代セリカに続くべくリリースされた2代目でしたが、強力なライバル車の登場と共に、その人気は次第に下降線を辿りました。1980年代~90年代に、日産・シルビアやホンダ・プレリュードが「デートカー」として大ヒットを記録する中、セリカはその陰に隠れる存在となりました。
手軽にスポーティさを味わえるスペシャリティカー市場では、高性能なクルマよりも、カッコいいクルマがヒットするということでしょう。

 

 

 

 

【諸元】

 

 

 

トヨタセリカ(2代目A40/50型)

全長×全幅×全高 4330/4410mm×1635/1640mm×1305/1310/1315mm
ホイールベース 2500mm
乗車定員 5名
エンジン 12T-U型 直列4気筒OHV 1588cc(88ps/5600rpm)
2T-U型 直列4気筒OHV 1588cc(90ps/6000rpm)
2T-GEU型 直列4気筒OHV 1588cc(110ps/6000rpm)(~1978.5)
2T-GEU型 直列4気筒OHV 1588cc(115ps/6000rpm)(1978.5~)
3T-U型 直列4気筒OHV 1770cc(98ps/5700rpm)(~1978.5)
13T-U型 直列4気筒OHV 1770cc(95ps/5400rpm)(1977.11~)
3T-EU直列4気筒OHV 1770cc(105ps/5400rpm)(1978.9~)
18R-U型 直列4気筒SOHC 1968cc(100ps/5500rpm)(~1978.9)
18R-GU型 直列4気筒SOHC 1968cc(130ps/5800rpm)(~1978.9)
18R-GEU型 直列4気筒SOHC 1968cc(135ps/5800rpm)(1978.9~)
21R-U型 直列4気筒SOHC 1972cc(105ps/5200rpm)(1978.9~)
駆動方式 FR
トランスミッション 3AT/4AT/4MT/5MT
タイヤサイズ 185/70HR13