【トヨタ】コロナマークⅡ(2代目X10/20型)

ハイオーナーカーとして上々なスタートを切った初代コロナマークⅡ。大型化、上級化を果たした2代目モデルは、高級パーソナルカーとしての色濃くデビューしました。

ローレルとスカイラインの2車種で対抗した日産と、激しい販売競争を繰り広げました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

志村 泰秀 (しむにー)(@yasuhide.1031)がシェアした投稿

 

 

 


トヨペット・コロナマークⅡ(2代目X10/20型)の歴史】

 

 

 

モータリゼーションの発展に伴い、大型化や高級化が始まった1960年代後半。小型セダンのトヨペット・コロナ(3代目T40/50型)やダットサン・ブルーバード(3代目510型)と、高級セダンのトヨペット・クラウン(3代目S50型)や日産・セドリック(2代目130型)、日産・グロリア(3代目A30型)の間に位置する、上級な自家用車として1968年にデビューしたのが、トヨペット・コロナマークⅡ(初代T60/70型)と日産・ローレル(初代C30型)の2台でした。
この2台の「ハイオーナーカー」は、メッキパーツの多用や高性能エンジンの搭載など、販売競争を繰り広げましたが、結果はマークⅡの圧勝で、ローレルの3倍近い販売台数を記録しました。

kuruma-bu.hatenablog.com

 

この間、日産も黙っていたわけではなく、プリンス自動車との合併によって、ブルーバードと一部競合することになったスカイラインを1968年にフルモデルチェンジ。通称「ハコスカ」と呼ばれる3代目C10型に移行すると、ハイオーナーカーに近い車格に大型化し、さらに6気筒エンジンを搭載したロングノーズのGTシリーズを追加しました。
高級化、高性能化、環境性能への対応、安全性向上など、クルマの発展が著しい中で、従来モデルでの対応では限界があり、マークⅡはフルモデルチェンジを迎えました。

ボディの大型化に対応すべく、初代に比べてホイールベースを75mm延長。サスペンションは前輪はダブルウィッシュボーン式、後輪は4リンク式。バンを除いた全車にフロントディスクブレーキを採用しました。

基本エンジンは、95psの「6R型(直列4気筒SOHC・1707cc)」、105psの「18R型(直列4気筒SOHC・1968cc)」、SUツインキャブ仕様で115psの「18R-B型(直列4気筒SOHC・1968cc)」、そのハイオク仕様で120psの「18R-B型(直列4気筒SOHC・1968cc)」、DOHCで140psの「18R-GR型(直列4気筒DOHC・1968cc)」、そのハイオク仕様で145psを発揮する「18R-G型(直列4気筒DOHC・1968cc)」。
さらに、スカイラインGTに対抗すべくクラウン用の6気筒エンジンもラインナップされ、110psの「M-C型(直列6気筒SOHC・1988cc)」が搭載されました。
トランスミッションは、3速コラムAT、3速フロアAT、3速コラムMT、4速フロアMT、5速フロアMTを用意。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

頭の中はいつもバイクとクルマ(@gss2000_kazzzzz)がシェアした投稿

ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、5ドアワゴン、5ドアバンの4種類で、ピックアップトラックは先代が継続生産されました。
4ドアセダンの基本モデルのサイズは全長4325mm×全幅1625mm×全高1390mmで、6気筒エンジンを搭載する「L」シリーズは、全長4420mmのロングノーズとされました。
先代と比べてワイド&ローのスタイリングに生まれ変わったエクステリアは、「大胆なロングノーズ、大胆なショートデッキ」とカタログで謳われるほどで、それまでの箱型のデザインとは異なる、流麗さが強調されました。

セダンは「1700DX」「2000DX」「2000GL」「2000GSL」「L」の5グレード、ハードトップは「1700DX」「2000DX」「2000GL」「2000SL」「2000GSL」「2000GSS」「L」の7グレード、ワゴンには「1700DX」と「2000DX」、バンには「1700」「1700DX」がラインナップされ、グレード名にSが付くものはツインキャブ車、Lシリーズが6気筒エンジン搭載車でした。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

MIYAKAWA(@coronamark2gss.1972)がシェアした投稿

1972年1月にフルモデルチェンジとなり、ライバルに先駆けてデビュー。その後4月にローレルが2代目C130型に、9月にスカイラインが4代目C110型にフルモデルチェンジとなり、熾烈な販売競争が繰り広げられました。

1972年5月には、Lシリーズにツインキャブ仕様で125psの「M-D型(直列6気筒SOHC・1988cc)」搭載車と、電子制御燃料噴射式の「18R-E型(直列4気筒SOHC・1968cc)」を搭載した「2000GSL EFI」を発売。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

栃木トヨペットU-Carセンター上横田店(@kamiyokota_tochigi_toyopet)がシェアした投稿

1973年8月のマイナーチェンジで、フェイスリフトが実施し中期型に移行。6気筒エンジンにも電子制御燃料噴射エンジンを搭載した「LG」を追加し、135psを発揮する「M-E型(直列6気筒SOHC・1988cc)」を搭載しました。
同時に、6気筒ツインキャブ車は「LX」に改称し、6気筒の廉価グレード「LA」と、ワゴンに6気筒エンジンを搭載した「L」を追加。
さらに、1.7L車のエンジン拡大により、105psの「16R型(直列4気筒SOHC・1808cc)」に変更されました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

山崎 武士 / Takeshi Yamazaki(@powered_by_yamachan_8)がシェアした投稿

1974年8月に2度目のマイナーチェンジ。再度フェイスリフトを受け、全長が55mm延長されました。
12月には、セダンに「1800STD」「1800GL」、ハードトップに「1800GL」を追加。

1975年10月、TTC-C方式により昭和50年排ガス規制に適合しました。これにより、バンを除く4気筒車は全て100psの「18R-U型(直列4気筒SOHC・1968cc)」に一本化され、DOHCエンジンを搭載していた「GSS」は廃止となりました。
6気筒エンジンもTTC-C化され、110psの「M-U型(直列6気筒SOHC・1988cc)」と、125psの「M-EU型(直列6気筒SOHC・1988cc)」に置き換えとなりました。

1976年12月に3代目X30/40型にフルモデルチェンジとなり、生産終了。
通称「ブタ目」と呼ばれる、シンプルかつ大胆なフロントマスクに生まれ変わり、ハイオーナーカー市場のニーズの多様化に対応すべく、最上級グレード「グランデ」の設定や、2.6Lエンジン搭載モデルの設定、姉妹車チェイサーの発売などで、ライバルに対抗していきました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ガレージフリー(@garage_free)がシェアした投稿

2代目マークⅡの販売台数は約58万台と決して悪いわけではありませんが、販売期間をほぼ同じくする、2代目ローレルが約35万台、4代目スカイラインが約67万台で、2車種で対抗した日産の大勝という結果となりました。
しかし、6気筒エンジンを搭載する高級パーソナルカーというマークⅡの基本形は、この2代目で形作られ、1980年代~1990年代にはトヨタのドル箱的な存在へと成長していくのでした。

 

 

 

 

【諸元】

 

 

トヨペット・コロナマークⅡ(2代目X10/20型)

全長×全幅×全高 4325mm×1625mm×1390mm(セダン)
4420mm×1625mm×1400mm(セダンL)
4325mm×1625mm×1370/1380mm(ハードトップ
4420mm×1625mm×1390mm(ハードトップL)
4350mm×1625mm×1410mm(ワゴン)
4350mm×1625mm×1425mm(バン)
ホイールベース 2585mm
乗車定員 5名
エンジン 6R型 直列4気筒SOHC 1707cc(95ps/5500rpm)(~1973.8)
16R型 直列4気筒SOHC 1808cc(105ps/5600rpm)(1973.8~1975.10)
18R型 直列4気筒SOHC 1968cc(105ps/5500rpm)(~1975.10)
18R-B型 直列4気筒SOHC 1968cc(115ps/6000rpm)(~1975.10)
18R-B型 直列4気筒SOHC 1968cc(120ps/6000rpm)(~1975.10)
18R-E型 直列4気筒SOHC 1968cc(130ps/5800rpm)(1972.5~1975.10)
18R-U型 直列4気筒SOHC 1968cc(100ps/5500rpm)(1975.10~)
18R-GR型 直列4気筒DOHC 1968cc(140ps/6400rpm)(~1975.10)
18R-G型 直列4気筒DOHC 1968cc(145ps/6400rpm)(~1975.10)
M-C型 直列6気筒SOHC 1988cc(110ps/5600rpm)(~1975.10)
M-D型 直列6気筒SOHC 1988cc(125ps/5800rpm)(1972.5~1975.10)
M-E型 直列6気筒SOHC 1988cc(135ps/6000rpm)(1973.8~1975.10)
M-U型 直列6気筒SOHC 1988cc(110ps/5600rpm)(1975.10~)
M-EU直列6気筒SOHC 1988cc(125ps/6000rpm)(1975.10~)
駆動方式 FR
トランスミッション 3AT/3MT/4MT/5MT
タイヤサイズ 165HR14(2000GSS)
6.45-14 4P(L)
6.45-13 4P
5.50-13 8P(バン)