【日産】パオ(PK10型)

1987年に発売したBe-1の大ヒットに続いて、パイクカーシリーズ第2弾として1989年に登場したパオ。

受注期間3ヶ月の間に、5万台の受注があり、パイクカーブームは一段と増していきました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

i chi(@pao_pike)がシェアした投稿

 

 

 


【日産・パオ(PK10型)の歴史】

 

 

パワー競争や電子制御技術競争の時代だった1980年代に、これを否定するかの如く登場したのが日産・Be-1(BK10型)でした。マーチ(初代K10型)をベースにしたハッチバックで、曲線を多く取り入れたスタイリング、丸型2灯式のヘッドランプ、丸型を基調としたインパネ、シンプルな操作系など、レトロな雰囲気を醸し出しました。
限定1万台で発売されると、2か月で予約が埋まる想定以上の人気ぶりでした。

kuruma-bu.hatenablog.com

 

レトロ調をコンセプトとした、このパイクカーシリーズの第2弾として計画されたパオは、Be-1が発売された1987年の東京モーターショーで発表されました。

カニズムは、Be-1と同様にマーチをベースとし、ホイールベースも同様の2300mm。
エンジンも同様で、52psの「MA10S型(直列4気筒SOHC・987cc)」を搭載しました。トランスミッションは5速MTと3速ATをラインナップ。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

うにちゃん(@i___jan.11)がシェアした投稿

ボディサイズは、全長3740mm×全幅1570mm×全高1475mmで、Be-1よりも背の高いスタイリングを採用。
丸型2灯式のヘッドライト、縦3連に並べた丸型テールランプ、三角窓、上下2分割式のリアクオーターウインドウ、上下開きのバックドア、デザインに自然に溶け込む外ヒンジ、パイプ形状のバンパーなど、Be-1より増してレトロ感を演出したデザインでした。

一方で、その独特なスタイリングを実現するために、ボディには新素材なども多く使われました。熱可塑性樹脂のフレックスパネルをフロントフェンダーに、SMCと呼ばれる熱硬化性樹脂をボンネットフードに採り入れました。一部外板には両面処理鋼板を採用して耐腐食性を向上させたほか、防錆シーラントや防錆ワックスの注入、フッ素樹脂塗装の採用など、防錆対策にも重点が置かれました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Naoto Ueda(@jidousha.archive)がシェアした投稿

内装でもレトロ感を演出するため、インパネはボディ同色パネルを採用。ステアリングやレバー、スイッチ類においても、シンプルかつレトロなデザインで、カーステレオに至るまで専用デザインのものが装着されました。

1989年1月に発売。台数を限定したBe-1での反省を踏まえ、3ヶ月という受注期間限定で販売されました。この3ヶ月の間に、5万台以上の受注を記録。
中にはBe-1のような価格高騰を見込んだ業者による予約もあり、キャンセルも多く発生しましたが、パイクカーシリーズの中では最も生産台数が多く、現存も多いと見られています。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

MARUSHIN KOYO(@koyo_gctoyohashi)がシェアした投稿

Be-1に始まった日産のパイクカーシリーズは、いずれも大人気となり、国内の軽自動車を中心としたレトロ調デザインブームや、VWニュービートルBMW・ミニなどのリバイバル車へも影響を与えました。
それまで高性能さを売りにしていた日産が一石を投じ、レトロ調という新たなニーズを生み出したのでした。

 

 

 

【諸元】

 

 

日産・パオ(PK10型)

全長×全幅×全高 3740mm×1570mm×1475mm
3740mm×1570mm×1480mm(キャンバストップ)
ホイールベース 2300mm
乗車定員 5名
エンジン MA10S型 直列4気筒SOHC 987cc(52ps/6000rpm)
駆動方式 FF
トランスミッション 3AT/5MT
タイヤサイズ 155SR12