【ホンダ】CR-V(初代RD1/2型)

ホンダのクリエイティブムーバーシリーズ第2弾として登場したCR-Vは、ホンダ初のクロスカントリーSUVでした。

トヨタRAV4とともに、ライトクロカンという一大ジャンルを作り出し、好調なセールスを記録しました。

 
 
 
 
 
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【ホンダ・CR-V(初代RD1/2型)の歴史】

 

 

 

RVブームに沸いた1980年代。三菱・パジェロ(初代L040/140型)や、トヨタハイラックスサーフ(初代N60型)、日産・テラノ(初代WD21型)、いすゞ・ビッグホーン(初代UBS12/13/17/52/55型)などがその筆頭でした。
ホンダはそれまでセダンやクーペに特化した販売戦略を取っており、クロスカントリー車はおろか、1BOX車やミニバンもラインナップしておらず、RVブームには大きく遅れをとっていました。

そんな中でホンダは、OEM供給によるRV車の販売を先行させ、レンジローバーディスカバリーOEMを受けたクロスロード(初代LJ型)と、いすゞ・ミューのOEMを受けたジャズ(UCS69型)を1993年に発売。さらに、いすゞ・ビッグホーンのOEMを受けたホライゾン(UBS25/26/69/73型)を1994年に発売しました。
しかし、これらの販売は振るわず、自社生産車のRV市場参入が課題となり、そのコンセプトが「クリエイティブムーバー(生活創造車)」でした。

クリエイティブムーバーの第1弾は、1994年発売のオデッセイ(初代RA1-5型)で、乗用車をベースに設計された多人数乗車が可能なクルマとして発売され、大ヒットを記録。ミニバンブームの火付け役となりました。

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この勢いに乗って、第2弾として開発されたのが、クロスカントリー車のCR-V。オデッセイと同様に、乗用車感覚で使えるクルマを目指して開発され、ステーションワゴンのような使い勝手の良さ、セダン同等の快適性能を備え、かつクロスカントリー車としての機動性の高さを実現しました。

プラットフォームはシビック(6代目EK2-5/8/9型)のものをベースにし、高剛性のモノコック構造を採用。
駆動方式は4WDのみで、4WDシステムにはデュアルポンプ式を採用し、燃費性能にも配慮されました。フルタイム式ではないため、オフロード性能はそれほど高くありませんでしたが、シティユースがほとんどのCR-Vにとっては大きな問題とはなりませんでした。
サスペンションには前後にダブルウィッシュボーン式を採用。

エンジンは新開発の「B20B型(直列4気筒DOHC・1972cc)」のみをラインナップ。当初は専用チューニングされた4速ATのみで、SUVとしては珍しいコラム式を採用しました。

 
 
 
 
 
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全長4470mm×全幅1750mm×全幅1675/1705mmのボディサイズで、全車3ナンバー登録。先行していたトヨタRAV4(初代XA10型)は、3ドアと5ドアを用意し、基本的には5ナンバーでしたが、後発であるCR-Vはこれと差別化を図りました。
ホンダらしい抑揚を押さえたプレーンな外観としつつ、RAV4に比べて長い全長によって伸びやかなフォルムを実現。シティユースからアウトドアユースまで、様々な場面で映えるスタイリングでした。

コラムシフト、ステッキ式パーキングブレーキの採用により、前後のウォークスルーも可能で、3ナンバーのボディサイズから生まれる広い室内と相まって、使い勝手の良さが非常に好評でした。

1995年10月のデビュー時は、ベースグレードと、廉価グレードの「B仕様」の2ラインナップのみ。
オデッセイと同様に順調な販売成績を記録し、見事にホンダはRV市場参入を果たしました。

1997年10月にマイナーチェンジを実施し、ABSやエアバッグが標準設定。5速MT車も新たに設定されました。

 
 
 
 
 
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1998年12月のマイナーチェンジでは、エンジン出力を150psにパワーアップ。
スペアタイヤ位置を床下に変更した新グレード「フルマーク」を設定し、従来通りの背面スペアタイヤ仕様は「パフォーマ」として併売されました。
また、オフロード性能を必要としないユーザーのためにFF車も新設定しました。

2000年5月には、パフォーマにFF仕様を追加。
さらに、大型電動サンルーフや木目調センターパネルを装備した特別仕様車「フルマークプレミアム」を設定しました。

2001年9月に2代目RD4/5/7型にフルモデルチェンジ。2代目では、4WDシステムを大幅に改良して悪路走破性能を向上させ、エンジンも新世代のものに変更するなどして進化を遂げました。国内市場ではミニバンの全盛時代に突入したこともあり、初代ほどの販売は記録できませんでしたが、北米を含めた海外市場では大ヒットを記録しました。

 
 
 
 
 
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クリエイティブムーバー第2弾として発売されたCR-Vは、大ヒットを記録。その要因としては、乗用車感覚で使える新たなクロスオーバー車というコンセプトが受け入れられたからでした。乗用車感覚で使えるミニバンとしてヒットしたオデッセイと同様の理由であり、クリエイティブムーバーそのもののコンセプトが市場とマッチしていた証でした。
この勢いはさらに、第3弾として発売されるステップワゴン(初代RF1/2型)へと続いていきます。

 

 

 

 

【諸元】

 

 

 

ホンダ・CR-V(初代RD1/2型)

全長×全幅×全高 4470mm×1750mm×1675/1705mm(~1998.12)
4385/4480mm×1750mm×1710mm(1998.12~)
ホイールベース 2620mm
乗車定員 5名
エンジン B20B型 直列4気筒DOHC 1972cc(130ps/5500rpm)(~1998.12)
B20B型 直列4気筒DOHC 1972cc(145ps/6200rpm)(~1998.12・MT車
B20B型 直列4気筒DOHC 1972cc(150ps/6300rpm)(1998.12~)
駆動方式 FF/4WD
トランスミッション 4AT/5MT
タイヤサイズ 205/70R15