【三菱】ランサー(初代A70/120/140型)

カローラやサニーに対抗する新たな三菱の小型車として登場したのがランサー。

ラリーへの参戦を踏まえたスポーティな1600GSRも登場し、後のランエボへと続く系譜が始まりました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ルパルナス Le Parnass SA(@leparnass)がシェアした投稿

 

 

 


【三菱・ランサー(初代A70/120/140型)の歴史】

 

 

1960年代の三菱の乗用車は、高級セダンのデボネア(初代A30型)、後に1.5Lまで発展するコルト1000シリーズ、後に1.1Lまで発展するコルト600シリーズでフルラインナップでした。

コルトの後継車として1969年に登場したコルトギャラン(初代A50型)は、トヨペット・コロナ(3代目T40型)やダットサン・ブルーバード(3代目510型)の車格ながら、既に大人気となっていたトヨタ・カローラ(初代E10型)やダットサン・サニー(初代B10型)にも対抗できるよう、価格を安価に設定し、三菱の屋台骨として活躍しました。

トヨタや日産のトップセラーは既にカローラやサニーの大衆車クラス。これに真っ向から対抗するには、ギャランよりも小型で安価、さらには時代にあったスポーティで高性能なモデルが必要となり、1973年に発売されたのがランサーでした。

当時はまだ一般的なFRレイアウトで、ラリーへの参戦を考慮し、ボディ剛性や衝突安全性を高めたモノコックフレームを採用。
フロントサスペンションはマクファーソン式で独立懸架、リアはリーフスプリングの車軸式でした。

エンジンは、70psの「4G42型(直列4気筒OHV・1187cc)」をボトムラインに、92psの「4G33型(直列4気筒SOHC・1439cc)」、100psの「4G32型(直列4気筒SOHC・1597cc)」を用意。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

増田 庸祐(@massu_yo)がシェアした投稿

ボディサイズは全長3965mm×全幅1525mm×全高1360mmで、カローラやサニーと同等サイズ。曲面を多く使った3ボックススタイルで、4ドアセダンと2ドアセダンをラインナップしました。
丸型2灯式ヘッドライトと、その間には薄目のフロントグリルを配置し、ライバル他車と比べてスポーティな印象を強調しました。

1973年2月のデビュー時は、「1200EL」「1200GL」「1400GL」「1400SL」の各2/4ドアを基本に、2ドアの廉価グレード「1200STD」、2ドアのスポーティグレード「1600GSL」を設定。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

山崎 武士 / Takeshi Yamazaki(@powered_by_yamachan_8)がシェアした投稿

1973年9月には、ラリー参戦のベース車両となる「1600GSR」を発売しました。ツインキャブを搭載した110psの「4G32型(直列4気筒SOHC・1597cc)」を搭載。車両重量が825kgと軽いこともあり、0→400m加速は16.4秒を記録するホットモデルでした。これに伴い、1600GSLは4ドアに変更されました。
また、5ドアライトバンを発売しました。1.2Lと1.4Lがラインナップされ、1.4L車のエンジンは86psの「4G41型(直列4気筒OHV・1378cc)」が搭載されました。

1974年10月にマイナーチェンジを実施。セダンのテールランプデザインが変更され、リアナンバープレートがテールランプ中央からバンパー下に移設されました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Noriyuki Hata(@clunker_motors)がシェアした投稿

1975年2月には、2ドアクーペモデルの「ランサーセレステ」を発売。ギャランクーペFTO(A60型)の後継車としての位置づけでもありました。伸びやかなファストバックスタイルで、ロングノーズ・ショートデッキを強調。
エンジンは、1.4Lの4G33型、1.6Lの4G32型はシングルキャブとツインキャブの2種類、さらに低公害化した92psの「G32A型(直列4気筒SOHC・1597cc)」も用意されました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

@kiyurohi_gram.ltdがシェアした投稿

1976年11月に2度目のマイナーチェンジとなり、フロントグリルや、フロントのサイドウインカー、テールランプのデザインが変更されました。
1.2L車のエンジンは「4G36型(直列4気筒SOHC・1238cc)」に変更され、1200STDは廃止されました。1200ELは装備等が見直され「1200ポピュレール」に変わりました。
セレステには、1600GSR同等の装備内容で、前後に5マイルバンパーを装着した、「1600GT」を新たに設定。

1977年7月には、バンを除く1.2L車と1.4L車のエンジンが変更されました。1.2Lには70psの「G11B型(直列4気筒SOHC・1244cc)」、1.4L車には82psの「G12B型(直列4気筒SOHC・1410cc)」を搭載。1.6L車も、1600GSRを除いて92psの「G32B型(直列4気筒SOHC・1597cc)」に変更。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

s.akira0413(@s.akira0413)がシェアした投稿

1977年11月にセレステがマイナーチェンジを受け、ヘッドランプが丸型2灯式から角型2灯式に変更されました。

1979年3月、セダンがフルモデルチェンジを受け、2代目A170型にバトンタッチ。「ランサーEX」を名乗り、ボディは大型化しました。
バンはマイナーチェンジを受け、エンジンはG11型とG12型に換装されて継続生産。

1979年6月には、セレステに「2000GT」を追加。105psを発揮する「4G52型(直列4気筒SOHC・1995cc)」を搭載しました。

1982年1月にセレステも販売終了し、後継車としてコルディア(A210型)がデビューしました。

最後まで生産されたバンは、1985年2月にフルモデルチェンジ。1983年から販売されていたミラージュ/ランサーフィオーレ(2代目C10/30型)のバンモデルとなり、同時に姉妹車のミラージュバンもデビューしました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

コダカズ55(@kodakazu55)がシェアした投稿

三菱の小型車クラスを受け持つ新型車として登場したランサーは、カローラやサニーほどの販売成績を収めることは敵いませんでしたが、サザンクロスラリーサファリラリーなどで複数回の総合優勝を果たす好成績を収めました。
一方、2代目以降は、ギャランの大型化に伴う車格の上級移行に始まり、それに伴ってデビューした小型車のミラージュとは後に姉妹関係になるなど、一貫性のないランサーの位置づけが目立ち、販売は低迷の一途を辿ることになります。

 

 

 

 

【諸元】

 

 

 

三菱・ランサー(初代A70/120/140型)

全長×全幅×全高 3965mm×1525mm×1360mm
3995mm×1535mm×1385mm(バン)
4115mm×1610mm×1340mm(セレステ
ホイールベース 2340mm
乗車定員 5名
エンジン 4G42型 直列4気筒OHV 1187cc(70ps/6000rpm)(~1976.11)
4G36型 直列4気筒SOHC 1238cc(73ps/6000rpm)(1976.11~1977.7)
G11B型 直列4気筒SOHC 1244cc(70ps/5500rpm)(1977.7~)
4G41型 直列4気筒SOHC 1378cc(86ps/6000rpm)(バン・1973.9~)
4G33型 直列4気筒SOHC 1439cc(92ps/6300rpm)(~1977.7)
G12B型 直列4気筒SOHC 1410cc(82ps/5500rpm)(1977.7~)
G32A型 直列4気筒SOHC 1597cc(92ps/6000rpm)(1975.2~1977.7)
4G32型 直列4気筒SOHC 1597cc(100ps/6300rpm)(~1977.7)
4G32型 直列4気筒SOHC 1597cc(110ps/6700rpm)(GSR・1973.9~)
G32B型 直列4気筒SOHC 1597cc(92ps/6300rpm)(1977.7~)
4G52型 直列4気筒SOHC 1995cc(105ps/5700rpm)(セレステ2000GT・1979.6~)
駆動方式 FR
トランスミッション 3AT/4MT/5MT
タイヤサイズ 6.15-13 4P
155SR13
175/70HR13