【トヨタ】トヨペット・コロナ(3代目T40/50型)

初代、2代目とライバルのブルーバードに歯が立たなかったコロナでしたが、ついにこの3代目では「BC戦争」とも呼ばれる熾烈な販売競争を繰り広げ、宿敵ブルーバードを制することに成功しました。

外市場への輸出にも成功し、トヨタの躍進はこのコロナから始まったとも言えます。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

小林 利徳(@nori_3_104_beertosh)がシェアした投稿

 

 

 


トヨペット・コロナ(3代目T40/50型)の歴史】

 

 

1955年発売のダットサン乗用車(110型)、1957年発売のダットサン1000(210型)、1959年発売のダットサン・ブルーバード(初代310型)で国産小型車市場を席巻した日産。
これに対抗してトヨタが発売したのが、1957年発売のトヨペット・コロナ(初代T10型)でしたが、ボディデザインの古さ、エンジンのパワー不足、耐久性の乏しさなどから、主戦場であるタクシー業界の評判も悪く、ダットサン勢を前に大敗を喫しました。

kuruma-bu.hatenablog.com

 

1960年に満を持してモデルチェンジしたコロナ(2代目T20/30型)でしたが、初期トラブルが多々発生しただけでなく、新設計のリアサスペンションの耐久性不足により、販売面ではまたしてもブルーバードに到底及びませんでした。

kuruma-bu.hatenablog.com

 

ライバルのブルーバードは1963年に2代目410型にフルモデルチェンジ。コロナは今度こそブルーバードを打倒すべく、1964年に3代目をデビューさせました。

コンベンショナルなFRレイアウトで、ホイールベースは先代に比べて20mm延長した2420mm。サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン式、リアにリーフリジッド式を採用した前輪独立懸架で、ブレーキは当時としてはまだ一般的な4輪ドラムを採用しました。

エンジンは、定評のあったR型を改良した「2R型(直列4気筒OHV・1490cc)」を搭載。70psの最高出力で、フラットなトルク特性にも定評がありました。先代にも搭載されていた55psの「2P型(直列4気筒OHV・1198cc)」もラインナップ。
トランスミッションは、3速MTを基本に、2速ATのトヨグライドも用意されました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

@ok_kzがシェアした投稿

スタイリングは、ボクシーで直線的なものに生まれ変わり、ボディサイドを一直線に流れる「アローライン」が特徴的で、通称「アローラインコロナ」と呼ばれました。フロントマスクはスラントノーズに丸型4灯式ヘッドライトを採用し、グリル周りのデザインから「バリカンコロナ」とも呼ばれました。
当時としては先進的であり、かつオーソドックスなデザインで、ヨーロピアンな曲線ラインや尻下がりのデザインを採用して不評だったブルーバードに対抗しました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

🇯🇵Rodney ロドニー🇺🇸(@tokyoridez)がシェアした投稿

ボディバリエーションは、4ドアセダンに加え、コロナラインからコロナに統一された2/4ドアバン、シングルピックアップ、ダブルピックアップの5車種でスタート。
1964年9月に発売。高速性能と耐久性をアピールするため、58日間で10万kmを走破するテストも行われ、先代との違いを際立たせ、人気が急上昇しました。その結果、1965年1月に初めてブルーバードの販売台数を追い抜き、国内販売台数1位を獲得。コロナの首位は、1968年にカローラに譲るまで続きました。

1965年4月、スポーティーモデルとして「1600S」を追加。
ブルーバードのSSやSSSに対抗したもので、90psの「4R型(直列4気筒OHV・1587cc)」を搭載し、4速フロアMTや前輪ディスクブレーキ、タコメーターなどを採用しました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Masa Mizu(@masa.mizu.4051)がシェアした投稿

7月には、国産車初のピラーレス構造を持つ2ドアハードトップを追加しました。のちにブルーバードは2ドアセダンで対抗しましたが、スポーティな雰囲気はコロナの勝ち。クーペスタイルのボディラインに、センターピラーがないことによる引き締まったサイドビューは、セダンとは一線を画すスポーティなものでした。
フロントマスクはブラック基調、テールランプは細型の専用のものを装着し、セダンと差別化。前席にセパレートシートを採用しただけでなく、後席は前に倒すことができ、荷室としての使用にも考慮されていました。
2R型を搭載する標準グレードと、4R型を搭載する「1600S」をラインナップし、ともに乗車定員は4人。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Martin Jonkers(@martyj46)がシェアした投稿

さらに11月には、国産車初となる5ドアハッチバックセダンを追加。欧州で人気の出始めていたボディスタイルを取り入れたもので、当時は「5ドアセダン」と称しました。
当時としては極めて先進的なモデルでしたが、国内市場では投入が早すぎ、商用バンのようだと敬遠され、販売台数は低迷しました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

颯人(@hayato_hd48)がシェアした投稿

1966年6月にマイナーチェンジを実施。縦横の格子状だったフロントグリルが、横基調のものに変更されました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

よねさん(@doubley6000)がシェアした投稿

1967年6月に2度目のマイナーチェンジを行い、前後デザインを変更しました。アメリカの安全基準への対応のため、バンパー位置が上げられ、フロントグリル周りのデザインを再度変更。
また、廉価グレードの2P型は、65psの「3P型(直列4気筒OHV・1350cc)」に置き換えらえました。

1967年8月には、2ドアハードトップの派生車種として、1.6LのDOHCエンジンを搭載したトヨタ・1600GT(T50型)を発売。

1968年4月、新たに「ゴールデンシリーズ」を設定。
9月に発売される上級車種のコロナマークⅡ(初代T60/70型)用のエンジンが先行搭載され、85psの「7R型(直列4気筒SOHC・1591cc)」と、ツインキャブ仕様で100psの「7R-B型(直列4気筒SOHC・1591cc)」の2種類。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

akira.nojima(@nozi3089)がシェアした投稿

9月にマークⅡが発売されると、大幅に車種整理を実施。1.5Lの4ドアセダンとバンのみとなり、5ドアセダンは廃止されました。1.6L車、2ドアハードトップ、シングルピックアップ、ダブルピックアップは、マークⅡに移行。
フロントマスクは再度変更され、テールランプはシンプルなワンテールに変わりました。

1970年2月にフルモデルチェンジが実施され、4代目T80/90型に移行。
本来はマークⅡがコロナの後継となる予定でしたが、3代目モデルが根強い人気を誇ったことから、急遽4代目が開発し、既に3代目510型に移行していたブルーバードに対抗しました。

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

よっち@(コロナ乗り)(@rt40yosiki)がシェアした投稿

国内販売台数1位を達成した3代目コロナは、海外市場にも受け入れられ、国産車の輸出台数の新記録を更新。以降、1980年代にカムリに取って代わるまで、トヨタの屋台骨として大活躍しました。
先代での失敗を糧に、丈夫で高品質なクルマを実現したコロナは、一躍トヨタの車種展開の中心となったのでした。

 

 

 

【諸元】

 

 

トヨペット・コロナ(3代目T40/50型)

全長×全幅×全高 4065/4110mm×1550mm×1420mm
4110mm×1565mm×1375mm(2ドアハードトップ
4215mm×1550mm×1465mm(バン)
4190mm×1550mm×1435mm(シングルピックアップ)
4190mm×1550mm×1445mm(ダブルピックアップ)
ホイールベース 2420mm
2450mm(バン/ピックアップ)
乗車定員 2/4/5名
エンジン 2P型 直列4気筒OHV 1198cc(55ps/5000rpm)(~1967.6)
3P型 直列4気筒OHV 1350cc(65ps/5000rpm)(1967.6~)
2R型 直列4気筒OHV 1490cc(70ps/5000rpm)
4R型 直列4気筒OHV 1587cc(90ps/5800rpm)(1965.4~1968.9)
7R型 直列4気筒SOHC 1591cc(85ps/5500rpm)(1968.4~1968.9)
7R-B型 直列4気筒SOHC 1591cc(100ps/6200rpm)(1968.4~1968.9)
駆動方式 FR
トランスミッション 2AT/3MT/4MT
タイヤサイズ 5.50-13 6P(バン/ピックアップ)
5.60-13 4P
6.15-14 4P