【トヨタ】トヨペット・スタウト(初代K20/30型)

RK型からのモデルチェンジにより、1956年から生産されたスタウトは、独立フェンダーやサイドステップを持たない、近代的な外観に生まれ変わりました。

後に世界で活躍するハイラックスシリーズの祖先とも言えるモデルを振り返ります。

 
 
 
 
 
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トヨペット・スタウト(初代K20/30型)の歴史】

 

 

戦後間もない1947年、トヨタはSA型小型乗用車用に開発したS型エンジンを搭載した、トヨペット・トラックSB型を発売。1t積のボンネットトラックで、戦後のトヨタの主力車種の1つとなりました。その後、ホイールベースを延長して荷台とキャブを拡大したSG型トラックを1952年に発売。1953年にはマイナーチェンジ版のSK型トラックと、1.25t積でR型エンジンを搭載したRK型トラックも発売されました。
この頃には、標準ボディの他にライトバンや、5人が乗車できるピックアップ、医療現場向けの救急車、家畜などの運送に使い勝手のいいステーキカー、ライトバンを改良した郵便車、あおりの高い深ボディトラック、キャブオーバー型のボディを架装したルートバン、その発展形である宣伝車など、既に多彩なボディバリエーションをラインナップしていました。

このRK型のモデルチェンジ版として1956年4月に登場したのが、RK23型。デビュー当時はまだスタウトの愛称はつけられておらず、カタログなどでは「トヨペット・トラック」や「トヨペット・1500」と記載されていました。

エンジンは、48psの「R型(直列4気筒OHV・1453cc)」で、トヨペット・クラウン(初代RS/S20/S30型)に搭載されたものと同等。
トランスミッションはフロアの3速MTでした。

クラウンと同時発売されたタクシー向けのトヨペット・マスター(RR型)が、短命に終わった背景もあり、このマスターの生産設備を無駄にしないため、ボディの前半分を流用しました。そのおかげで、先代まで存在していた独立フロントフェンダーやサイドステップがなくなり、一気に乗用車らしい外観に近づきました。
マスターの生産ラインそのものは、トヨペット・マスターライン(初代RR型)が引き継いでおり、そのピックアップトラックとは似た外観を持つ兄弟のような関係となりましたが、荷台まで一体ボディだったマスターラインに対し、RK23型は分離した荷台を持ち、キャブ背後には鳥居も付くヘビーデューティー版でした。

1956年4月の登場時は、全長4290mm×全幅1670mm×全高1700mmのボディサイズで、最大積載量は1.5t。直後にデビューする日産・ジュニア(初代B40/140型)やプリンス・マイラー(初代ADTH-1型)と、ほぼ同等サイズでした。

 
 
 
 
 
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1958年4月、コラムシフトを採用して3人乗りとなり、4速化。エンジンは58psにまでパワーアップし、RK30型となりました。フロントグリルの意匠やインパネデザインも変更されました。
7月には、1.75t積のRK35型も登場しました。

このトヨペット・トラックと、後にトヨエースになるトヨペット・ライトトラック、後にダイナになるトヨペット・ルートトラックなど、車名が似ていて紛らわしいとの声が多く、1959年6月に「スタウト」の愛称が付きました。

1959年7月には、60psに出力を向上。
この頃には、荷台長1885mmの1.5t積、荷台長2105mmと2290mmの2種類の標準型1.75t積、荷台長1830mmと2050mmの2種類の丸型荷台1.75t積、3人乗りと6人乗りのライトバン、荷台がフラットな高床荷台の1.75t積、6人乗で1t積のユニバーサルピックアップと、バリエーションも増やしていました。

1960年7月、2代目K40-100型にフルモデルチェンジ。2代目では、北米で流行していたフラットデッキスタイルに生まれ変わり、直線を基調としたより近代的なデザインを採用。
1963年にはダットサントラックへの対抗車種として、ライトスタウト(K40型)を派生させ、これが後にハイラックスシリーズへと発展していくことになります。

 
 
 
 
 
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戦後間もなくからの長い歴史を持つトヨタの小型ピックアップトラック。その発展形として登場したスタウトは、短命に終わったマスターのおかげで、一気に近代的な外観を手に入れ、乗用車風のおしゃれなトラックとして活躍しました。乗用車を持つことがまだまだ夢の時代には、休日のマイカーとしても重宝されたことでしょう。

 

 

 

【諸元】

 

 

 

トヨペット・スタウト(初代K20/30型)

全長×全幅×全高 4290mm×1670mm×1700mm(RK23)
4285mm×1685mm×1700mm(RK30)
4490/4675mm×1685mm×1700mm(RK35)
4680mm×1690mm×1700mm(RK35・ライトバン
4690mm×1670mm×1770mm(RK35・ユニバーサルピックアップ)
ホイールベース 2515mm(RK30)
2530mm(RK23)
2740mm(RK35)
乗車定員 2/3/6名
エンジン R型 直列4気筒OHV 1453cc(48ps/4000rpm)(~1956.10)
R型 直列4気筒OHV 1453cc(55ps/4400rpm)(1956.10~1958.4)
R型 直列4気筒OHV 1453cc(58ps/4400rpm)(1958.4~1959.7)
R型 直列4気筒OHV 1453cc(60ps/4500rpm)(1959.7~)
駆動方式 FR
トランスミッション 3MT/4MT
タイヤサイズ 7.00-15 6P / 7.00-15 10P
7.00-15 6P / 7.00-15 12P
7.00-15 6P / 7.50-15 10P