【三菱】ミニカ(初代LA20型)

三菱初の軽乗用車として1962年に発売されたミニカは、三菱らしい堅実な、FRレイアウトの3ボックスセダンでした。

当時としては長い約7年もの間生産されたロングセラーモデルとなりました。

 

 

 

 

【三菱・ミニカ(初代LA20型)の歴史】

 

 

日本初の大衆車と言われるスバル・360(K111/212型)。

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1958年の発売以降、異例の大ヒットを記録し、各メーカーはライバル車の開発に乗り出しました。1959年にはスズキ・スズライト(2代目TL型)や、1960年にはマツダ・R360クーペ(KR型)などが、スバルの牙城を崩すべくデビューしましたが、販売成績はいま一つ。

三菱は、1961年に三菱・360(LT20型)を発売。ライトバンピックアップトラックをラインナップする軽商用車で、FRレイアウトに耐久性の高いサスペンションを採用したパッケージングや、広い荷室、当時としては十分な性能などにより、商業的に成功を収めることが出来ました。
そこで、三菱・360の後部を乗用仕様に設計変更した軽乗用車を1962年10月に発売し、それがミニカでした。

三菱・360のライトバンのBピラーまでをそのまま流用。ボディ後方をノッチバックスタイルに変更し、2名の後部座席を確保しました。後席のヘッドクリアランス確保のために、リアウインドウは垂直に立てられ、さらに後方には独立したトランクルームも備えました。

 
 
 
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ボディサイズは、当時の軽自動車規格に収まる、全長2995mm×全幅1295mm×全高1370mm。三菱・360との差別化のために、フロントグリルやサイドモールにメッキを施すなど、高級感を演出しました。

エンジンは17psの「ME21型(空冷2ストローク直列2気筒・359cc)」で、三菱・360と共通。
トランスミッションは4速コラムMTが採用され、最高速度は86km/hを達成し、当時としては実用上十分なスペックでした。

1964年11月にマイナーチェンジが実施され、「ME24型(空冷2ストローク直列2気筒・359cc)」に変更。独立したオイルタンクを持つオートミックス式の採用により、18psに出力が向上しました。

1966年12月には、モノグレードだった体制を2グレード化。従来型は「デラックス」となり、新たに「スタンダード」を追加しました。

1967年5月には、2回目のマイナーチェンジにより、エンジンが21psの「ME24D型(空冷2ストローク直列2気筒・359cc)」となりました。

1968年10月には、「2G10型(2ストローク直列2気筒・359cc)」を搭載した、新グレード「スーパーデラックス」を追加し、最高出力は23ps。

1969年7月にフルモデルチェンジとなり、2代目A100/101/104/105/106型へバトンタッチ。その後も、ライバル車よりも堅実なイメージを守りつつ、安定した販売を見せていましたが、2007年に5ナンバーセダンが、2011年に4ナンバーバンが廃止となり、49年の長い歴史に幕を下ろしています。

当時の軽自動車は、FFレイアウトかRRレイアウトが多い中、堅実的なFRレイアウトを採用したミニカは、小型車並みの足回りと、優れたスペース効率を実現しました。
保守的なデザインにも関わらず、好調な成績を収められたのは、そのパッケージングの良さに他ならなかったのです。

 

 

 

 

【諸元】

 

 

三菱・ミニカ(初代LA20型)

全長×全幅×全高 2995mm×1295mm×1345/1370mm
ホイールベース 1900mm
乗車定員 4名
エンジン ME21型 空冷2ストローク直列2気筒 359cc(17ps/4800rpm)(~1964.11)
ME24型 空冷2ストローク直列2気筒 359cc(18ps/4800rpm)(1964.11~1967.5)
ME24D型 空冷2ストローク直列2気筒 359cc(21ps/5500rpm)(1967.5~)
2G10型 2ストローク直列2気筒 359cc(23ps/5500rpm)(スーパーデラックス)
駆動方式 FR
トランスミッション 4MT
タイヤサイズ 5.20-10 2P