【ホンダ】オデッセイ(2代目RA6-9型)
ミニバンブームのきっかけの1つとなった初代オデッセイ。1999年に登場した2代目モデルは、キープコンセプトながらより洗練されたクルマにリファインされました。
販売直後には、国内乗用車販売台数1位の座も獲得しました。
【ホンダ・オデッセイ(2代目RA6-9型)の歴史】
1994年に発売されたオデッセイ(初代RA1-5型)は、当時まだ商用車ベースの乗用ワゴンがミニバンの主流だった時代に、より乗用車らしいミニバンの新しい形を創造した画期的なモデル。
アコードをベースに開発され、走りや快適性は高級セダンにも匹敵するものだっただけでなく、3ナンバー専用ボディらしく室内も広々。ステーションワゴンを思わせるロールーフのスタイリングも、セダンからの乗り換えをスムーズにさせました。
5ナンバーサイズに収めてヒットを記録した1996年発売のトヨタ・イプサム(初代XM10型)、1997年のフルモデルチェンジで3ナンバー化した三菱・シャリオグランディス(3代目N80/90型)、より高級感を纏って1998年にデビューした日産・プレサージュ(初代U30型)など、ライバルとなるクルマも多く登場する中、オデッセイは1999年にフルモデルチェンジを果たしました。
大ヒットを記録していた初代モデルを踏襲したキープコンセプトで、ホイールベースも同一の2830mmに設定。サスペンションも4輪ダブルウィッシュボーン式を継続採用しました。駆動方式はFFの他に、4WDも設定されました。
搭載されたエンジンは、主力となる150psの「F23A型(直列4気筒SOHC・2253cc)」と、1ヶ月遅れて投入された210psの「J30A型(V型6気筒SOHC・2997cc)」の2種類で、先代の後期型と同じラインナップながら、J30A型は出力が10ps向上していました。
トランスミッションは、2.3L車に4速AT、3.0L車に5速ATを採用。
ボディサイズは、2.3L車が全長4770mm×全幅1795mm×全高1630/1655mm、3.0L車は全長4835mm×全幅1800mm×全高1630/1655mm。先代と比べて長く、広く、低く生まれ変わりました。
スタイリングは先代を踏襲したステーションワゴンスタイルで、後席ドアもヒンジ式ドアを引き続き採用しました。
2列目の仕様により6人乗りと7人乗りをラインナップしたのは先代同様。シートアレンジはさらに多彩になっただけでなく、ヘッドレストを取り外すことなく3列目を床下に収納できるようになるなど、多目的車としての利便性をさらに追求していました。
コラム式だったシフトレバーはインパネに移動し、Sマチック付のゲート式を採用。2,3列目のエアコン吹き出し口が天井にビルトインされた、デュアルオートエアコンを標準装備するなど、快適性も向上させました。
1999年12月のデビュー時は2.3Lのみで、「S」「M」「L」の3グレード。翌月に3.0L車が追加され、「VG」「VZ」の2グレードが追加されました。
2000年6月には、新車販売台数トップの座を奪い取るなど、大ヒットを記録しました。
2000年8月、Mをベースにディスチャージヘッドライトや本革巻ステアリングなどを装備し、オーディオレス仕様とした「MQ」を追加しました。
2001年2月には、MをベースにMD/CDプレイヤーやオーディオリモコンスイッチなど、オーディオ装備を充実させた特別仕様車「サウンドスピリット」を発売。
2001年11月にマイナーチェンジを実施。フロントのデザイン変更やドアミラー形状の変更のほか、アンサーバック付キーレスエントリーやチャイルドシート固定バーなどを追加しました。
また、ローダウンサスペンションや17インチアルミホイール、専用フロントグリル、エアロパーツなどを装備した、スポーティモデルの「アブソルート」を新たに設定しました。
2002年10月のマイナーチェンジでは、フロントウインカーとサイドマーカーをクリア化。Sを除いた全グレードで、ボディ同色フロントロアスカートやサイドプロテクター、ディスチャージヘッドライト、自発光式メーターも装備しました。
2003年2月には、MQをベースにした特別仕様車「プレミアムサウンドスピリット」を発売。BOSEサウンドシステム、16インチアルミホイールなどが装備されました。
2003年5月、特別仕様車「アブソルートリミテッド」「ファインスピリット」を発売。
アブソルートリミテッドは、アブソルートをベースに、専用ボディカラーと専用アルミホイールを装備し、メタルビーティング調パネル、本革&メタルビーティング調ステアリングなどを装備しました。
「ファインスピリット」は、Mをベースに、専用ボディカラーを採用し、メタリックグレーのフロントグリル、クロームメッキアウタードアハンドルなどを装備。
2003年10月、3代目RB1/2型へフルモデルチェンジとなりました。3代目では、新開発の低床プラットフォームの採用によって全高をさらに抑え、スポーティな印象を高めたミニバンに進化し、引き続きヒットを記録しました。
多人数乗車のためのクルマであるミニバンを、乗用車として作り上げた初代モデルのキャラクターに、2代目ではアブソルートを筆頭にスポーティなクルマに進化させました。
2001年に発売されていた弟分となるストリーム(初代RN1-5型)とともに、ロールーフミニバン市場はスポーティなホンダが牽引しました。
【諸元】
ホンダ・オデッセイ(2代目RA6-9型)
全長×全幅×全高 | 4770mm×1795mm×1630/1655mm(2.3L車・~2001.11) |
4775mm×1795mm×1630/1655mm(2.3L車・2001.11~) | |
4835mm×1800mm×1630/1655mm(3.0L車・~2001.11) | |
4840mm×1800mm×1630/1655mm(3.0L車・2001.11~) | |
4845mm×1800mm×1615/1640mm(アブソルート) | |
ホイールベース | 2830mm |
乗車定員 | 6/7名 |
エンジン | F23A型 直列4気筒SOHC 2253cc(150ps/5800rpm) |
J30A型 V型6気筒SOHC 2997cc(210ps/5800rpm) | |
駆動方式 | FF/4WD |
トランスミッション | 4AT/5AT |
タイヤサイズ | 215/60R16 |
215/55R17 |