【トヨタ】ソアラ(2代目Z20型)

1986年に2代目に生まれ変わったソアラは、先代から引き続き、先端技術も積極的に取り入れた高級パーソナルクーペ。

バブル景気も相まって、高価格を物ともせず、大ヒットを記録しました。

 
 
 
 
 
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トヨタソアラ(2代目Z20型)の歴史】

 

 

1981年に発売されたソアラ(初代Z10型)は、当時の国産クーペとしては大柄なボディに、専用開発された6気筒DOHCエンジンを搭載し、最新技術を用いた豪華装備を備え、ライバルの日産・レパード(初代F30型)を大きく上回る販売台数を記録。マークⅡ/チェイサー/クレスタ(X60/X70型)やクラウン(7代目S120型)などの高級セダンとともに、
「ハイソカーブーム」を牽引しました。

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発売から5年が経った1986年1月にフルモデルチェンジを受けた2代目ソアラは、トヨタの技術力の高さを内外にアピールする絶好のモデルであり、先端技術を多いに盛り込み、最高級のパーソナルクーペを目指して開発されました。
ライバルのレパードも1986年2月に2代目F31型にモデルチェンジ。初代では4ドアセダンと2ドアクーペの2本立てだったところを、2ドアクーペのみにターゲットを絞り、ソアラに真っ向から対抗しました。

高級車らしくFRレイアウトを踏襲したシャシーは、ホイールベースを10mm延長。
サスペンションには新設計の4輪ダブルウィッシュボーン式が装備されました。世界初の電子制御エアサスペンションや、ショックアブソーバーを自動制御するTEMSも採用。
さらに、ブレーキには電子制御式スキッドコントロール装置の4輪ESC、ステアリングには電子制御式パワーステアリングのPPSも装備されました。

エンジンには、新開発の「7M-GTEU型(直列6気筒DOHCターボ・2954cc)」を搭載。当時の国産車では最高の230psを発揮しました。
2.0L車には185psの「1G-GTEU型(直列6気筒DOHCツインターボ・1988cc)」、140psの「1G-GEU型(直列6気筒DOHC・1988cc)」、105psの「1G-EU型(直列6気筒SOHC・1988cc)」をラインナップ。
トランスミッションには、4速ATと5速MTが用意され、3.0L車はAT車のみの設定でした。

 
 
 
 
 
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外観は、先代を踏襲した2ドアノッチバッククーペスタイル。全長4675mm×全幅1695/1725mm×全高1335/1345mmのボディサイズで、先代よりもさらにワイド&ローを強調するものでした。全幅の違いは、2.0L車が5ナンバーサイズに収まる1695mm、3.0L車は3ナンバーサイズの1725mm。
二重レンズを用いたワイドで薄いヘッドランプや、透明ポリカーボネート製のフロントグリル、ワイドで大型のリアコンビネーションランプなどを採用し、高級感溢れるスポーティなクルマを印象付けました。

室内は、低床化とフラット化によってスペースを拡大し、居住性を向上。
視点移動が少なく視認性がいいメーター類、操作性のいい電子スイッチ、ステアリングサテライトスイッチ、エアコンとオーディオの操作が切り替え可能なマルチコントロールパネル、6インチディスプレイを用いたトヨタエレクトロマルチビジョン、マルチアジャスタブルパワーシートなど、先端機能を存分に装備しました。

当初のグレードは、「VZ」「VX」「2.0GT」「2.0GTツインターボ」「3.0GT」「3.0GTリミテッド」。3.0GTリミテッドには、エアサスペンション仕様もラインナップされ、483.5万円という高価格。バブル景気の真っ只中だった当時、人気だったグレードは、なんと最上級の3.0GTリミテッドでした。

1987年1月、3.0L車に5速MTを追加。3.0L車用のMTクラッチには、日本発のプル式クラッチスプリングを採用しました。
1G-GEU型エンジンには改良が加えられ、トルクアップを図りました。また、2.0GTツインターボには、TEMSを装備したエクストラ仕様を設定しました。

 
 
 
 
 
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1988年1月にマイナーチェンジを実施し、内外装を変更。フロントグリルやテールランプのデザインが変更されました。インテリアでは、タッチ式マルチコントロールパネルを廃止してボタン式エアコンパネルに変更、ステアリングやデジタルメーターにも改良が加えられました。装備面では、ワイヤレスドアロック、12連CDチェンジャー、ハンズフリー機能付き自動車電話などを採用。
7M-GTEU型と1G-GTEU型はハイオク仕様に変更され、それぞれ240psと200psに出力を向上しました。
また、廉価グレードのVZは廃止され、2.0L車のトップグレードとなる「2.0GTツインターボL」が新設定されました。

1989年1月には、VXのエンジンを1G-EU型から135psの「1G-FE型(直列6気筒DOHC・1988cc)」に変更。1G-GTEU型と1G-GEU型には改良が加えられ、それぞれ210psと150psに出力アップとなりました。

 
 
 
 
 
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1989年4月、500台限定で「エアロキャビン」が発売されました。3.0GTをベースに、電動格納式メタルトップを採用したモデルで、収納スペースの都合で後席が廃されて2人乗り。エアロバンパーやリアスポイラーが標準装備されたほか、本革スポーツシートも備わりました。430.9万円と高価ながら、限定台数はすぐに売り切れとなりました。

1991年5月にフルモデルチェンジを受け、3代目Z30型にバトンタッチ。
3代目は、世界戦略車的な位置づけがなされ、完全な3ナンバー車に移行し、丸みを帯びたスタイリングへと変貌を遂げました。国内でのクーペ市場縮小や、バブル崩壊など、それまでのソアラのコンセプトでは戦えなくなった故の変貌でした。その後、レクサス・SCへと系譜を繋ぎましたが、その歴史も2010年に幕を閉じています。

 
 
 
 
 
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1980年代の国内市場を代表するクルマの1つに数えられるソアラ。2代目でもライバルのレパードを大きく凌駕する販売成績を収め、当時のトヨタを支えました。
3代目以降の路線変更を考えると、本来の「ソアラ」はこの2代目が最後だったように思えます。

 

 

 

【諸元】

 

 

トヨタソアラ(2代目Z20型)

全長×全幅×全高 4675mm×1695/1725mm×1335/1345mm
ホイールベース 2670mm
乗車定員 2名(エアロキャビン)
5名
エンジン 1G-EU直列6気筒SOHC 1988cc(105ps/5200rpm)(~1989.1)
1G-FE型 直列6気筒DOHC 1988cc(135ps/5600rpm)(1989.1~)
1G-GEU型 直列6気筒DOHC 1988cc(140ps/6200rpm)(~1989.1)
1G-GEU型 直列6気筒DOHC 1988cc(150ps/6200rpm)(1989.1~)
1G-GTEU型 直列6気筒DOHC ICツインターボ 1988cc(185ps/6200rpm)(~1988.1)
1G-GTEU型 直列6気筒DOHC ICツインターボ 1988cc(200ps/6200rpm)(1988.1~1989.1)
1G-GTEU型 直列6気筒DOHC ICツインターボ 1988cc(210ps/6200rpm)(1989.1~)
7M-GTEU型 直列6気筒DOHC ICターボ 2954cc(230ps/5600rpm)(~1988.1)
7M-GTEU型 直列6気筒DOHC ICターボ 2954cc(240ps/5600rpm)(1988.1~)
駆動方式 FR
トランスミッション 4AT/5MT
タイヤサイズ 195/60R15
205/60R15
215/60R15