【ダイハツ】コペン(初代L880型)

電動開閉式のオープントップを備える軽自動車として登場したコペン

小さなボディから生み出される、走る楽しさや喜びは、軽自動車メーカーの老舗であるダイハツの本気を感じさせるものでした。

 
 
 
 
 
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ダイハツコペン(初代L880型)の歴史】

 

 

軽自動車のオープンカーが軒並みデビューした1990年頃、ホンダ・ビート(PP1型)、スズキ・カプチーノ(EA11/21型)、オートザムAZ-1(PG6型)など、オリジナリティ溢れる2シーターオープンが登場しました。
この時ダイハツは、リーザ(L100/110型)のルーフを大胆にカットして幌を付けたリーザスパイダーを発売。既存モデルをオープン化するというこの奇策は、ボディの剛性不足や、どうしても見た目のバランスが悪いことなどから、販売台数は低迷し、オープン市場からは早々に足を引きました。

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リーザスパイダーの終了から6年が経った1999年、東京モーターショーに参考出展されたのがコペン。2002年に市販化され、途絶えていた軽オープンカーが復活を果たしました。

駆動方式は一般的なFF。ムーヴから流用された、フロントがストラット式、リアがトーションビーム式のサスペンションを搭載しました。ブレーキは、前輪がディスク、後輪がドラム。タイヤサイズは165/50R15を採用しました。

エンジンは、ムーヴ用の4気筒ターボエンジンを改良し、ツインスクロールターボとした「JB-DET型(直列4気筒DOHCターボ・659cc)」を搭載。出力規制いっぱいとなる64psの最高出力を引き出しました。
トランスミッションは4速ATと5速MTを用意。

 
 
 
 
 
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ラウンディッシュなスタイリングで、前後のデザインが統一されていることが特徴的。前後のランプ類も丸型を基本としたデザインで、レトロな雰囲気も感じさせました。
シート背面には強固なロールバーをセッティングし、オープンカーで重要となる剛性を確保しました。

スポーティに仕立てられた内装は、質感やデザインなど、軽自動車とは思えないほどのクオリティで、小型車クラスのスポーツカーのものと言っても違和感がないほどに作られています。
リアにはトランクを有しますが、オープンカーの宿命となるルーフの収納場所となるため、容量は最低限。

 
 
 
 
 
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2002年6月のデビュー当初は、電動開閉が可能な「アクティブトップ」仕様と、脱着可能な樹脂製ルーフを採用した「ディタッチャブルトップ」仕様の2種類を発売。
アクティブトップは、海外メーカーの手によるもので、約20秒で開閉が可能でした。サイドブレーキと車速センサーによる安全装置により、走行中の開閉は不可能。
一方のディタッチャブルトップは、スポーツパックとリアスポイラーが標準装備され、ロールバーはオプション扱いとされました。

2003年7月に発売された特別仕様車「ファーストアニバーサリーエディション」は、アクティブトップをベースに、本革スポーツシートや専用ドアトリム、オプション設定だったMOMO製ステアリングホイールを標準装備しました。
また、新たにシートヒーターをオプション設定しました。

2004年6月には特別仕様車「セカンドアニバーサリーエディション」を発売。アクティブトップをベースに、レカロシートや専用ドアトリムを装備し、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプを標準装備しました。
従来のファーストアニバーサリーエディションは、「タンレザーエディション」として継続販売。

 
 
 
 
 
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2006年6月には、特別仕様車「アルティメットエディション」を発売しました。アクティブトップをベースに、アルカンターラレカロシートや専用ドアトリム、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、BBS製鋳造アルミホイールなどを装備。

2007年9月、特別仕様車「アルティメットエディションⅡメモリアル」を発売。ダイハツ100周年記念車で、アルティメットエディションにキャメルの専用内装色が選択可能となり、ブラックメッキフロントグリルやクリアクリスタルリアコンビネーションランプを標準装備しました。翌年以降も「アルティメットエディションⅡ」として販売されました。
また、ディタッチャブルトップ仕様車は生産を終了。

2009年9月に発売された特別仕様車「アルティメットレザーエディション」は、アルティメットエディションⅡをベースに、本革スポーツシートや、BBS製ガンメタアルミホイールなどを標準装備しました。

2010年8月、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプ、イモビライザー、シートヒーターを全車に、LSDMT車に標準装備としました。
また、特別仕様車「アルティメットエディションS」を発売。アクティブトップをベースに、シートやステアリングホイールが2種類から選択でき、ビルシュタイン製ショックアブソーバーやBBS製鋳造アルミホイール、ブラックメッキフロントグリルなどを装備しました。

2012年4月に特別仕様車「10thアニバーサリーエディション」を発売。アクティブトップをベースに、10thアニバーサリーロゴや、アルティメットエディションS同様のブラックメッキフロントグリル、本革スポーツシート、メッキインナードアハンドル、メッキパーキングブレーキボタンなどを装備しました。

2012年8月に生産を終了。国内では約10年に渡って生産されました。
1年10ヶ月後の2014年6月に2代目LA400型が発売されてコペンの名が復活。コンセプトの異なる4種類の外装が用意され、ボディには脱着可能な樹脂製構造を採用することで、着せ替えが可能なクルマとして話題になりました。

 
 
 
 
 
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小型スポーツカーにも匹敵する凝った作りがなされたコペンは、デビュー当時の販売価格は149.8万円と、軽自動車としては決して安くはありませんでした。
しかし、その質の高さや作りの良さが評判となり、唯一無二の存在となったことで、上々の販売成績を収めました。軽自動車という日本独自の文化の中で生まれた、世界最小のオープンスポーツは、国産車の歴史にも名を刻むモデルとなったのです。

 

 

 

【諸元】

 

 

ダイハツコペン(初代L880型)

全長×全幅×全高 3395mm×1475mm×1245mm
ホイールベース 2230mm
乗車定員 2名
エンジン JB-DET型 直列4気筒DOHCターボ 659cc(64ps/6000rpm)
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT/5MT
タイヤサイズ 165/50R15