【ホンダ】アコード(2代目SY/SZ/AC/AD型)/ビガー(初代SZ/AD型)

CVCC技術によって1970年代の排出ガス規制を乗り切ったホンダ。次の時代に突入する上で、さらに居住性を高めた2代目アコードを1981年に送り出しました。

車種ラインナップ拡充のため、姉妹車のビガーも同時にデビューしました。

 

 

 


ホンダ・アコード(2代目SY/SZ/AC/AD型)/ビガー(初代SZ/AD型)の歴史】

 

 

1970年代の国産車市場のキーワードは、何と言っても「排出ガス規制」。各メーカーがこれに苦しめられた中、ホンダはCVCC技術によって、クリーンなエンジンを実現し、この時代を乗り切りました。
1972年デビューのシビック(初代SB/SG/SE/VG型)が大ヒットを記録すると、上級車種として1976年にデビューしたのがアコード(初代SJ/SM型)。FFレイアウトによって、ライバル他車と比べて広い室内スペースを確保したほか、ハッチバックの設定による実用性の高さなども魅力で、人気を集めました。

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1980年頃になると、ミドルクラスのライバル他車が上級化する中、アコードはさらに魅力を深めるべく、フルモデルチェンジを実施。
さらに、1980年代に向けて車種ラインナップの拡充を図るべく、アコードのメカニズムを使った姉妹車を設定することとなり、ベルノ店のフラッグシップモデルとしてビガーを発売しました。

FFレイアウトは踏襲した上で、ホイールベースを70mm拡大。サスペンションは先代に続いて4輪マクファーソン式を採用しました。

エンジンもキャリーオーバーされ、90psの「EP型(直列4気筒SOHC・1601cc)」と、97psの「EK型(直列4気筒SOHC・1750cc)」の2種類をラインナップ。ビガーは1.8Lのみで、1.6Lは設定されませんでした。
トランスミッションは、5速MTと3速のホンダマチックを用意。

ボディタイプは先代に続いて4ドアセダンと3ドアハッチバックを設定。セダンは全長4410mm×全幅1650mm×全高1375mm、ハッチバックは全長4210mm×全幅1650mm×全高1335mmで、ビガーも共通。先代からは一回り大型化されました。

直線基調のスタイリングの中でも、アコードとビガーで差別化が図られ、ビガーはベルノ店のフラッグシップに相応しい、スポーティで高級なイメージにまとめられました。アコードの異形角型2灯ヘッドランプに対して、規格角型4灯を採用したほか、専用グリルやボディ同色エアダムスカートを装着し、リアのナンバープレートはバンパー内に収められました。

国産車初のステアリング内蔵スイッチ式クルーズコントロールのほか、エレクトロニックナビゲータや車速応動型バリアブルパワーステアリング、オートレベリングサスペンションなどの、ハイテク技術も多く採用されました。

1981年9月にデビューすると、販売成績は思ったほど伸びませんでした。ライバル各車と比べて地味なスタイリングや、旧態依然の3速ATなど、数多く投入されたハイテク技術に見合ったクルマには写らなかったのです。

1982年、国産車としては初めてアメリカの工場で生産、販売されることとなり、不調だった国内販売とは一転、北米では非常に高い人気を誇りました。
北米向けアコードは、ビガーと同じ規格角型4灯ヘッドライトを採用しています。

1982年11月に、3速のホンダマチックは4速のフルオートマチックへ変更されました。

1983年6月にマイナーチェンジを受け、搭載エンジンが変更され、1.6Lは94psの「EY型(直列4気筒SOHC・1598cc)」に、1.8Lは110psの「ES型(直列4気筒SOHC・1829cc)」となり、ともにパワーアップ。
また、ABSも一部グレードに設定されたほか、フロントマスクの意匠が変更されました。

1984年5月には、1.8Lエンジンに電子制御燃料噴射装置「PGM-FI」仕様車を追加。最高出力は130psを誇りました。

1985年6月、両車ともCA1-6型にフルモデルチェンジとなり、販売終了。
リトラクタブル式ヘッドライトを採用した斬新なセダンに変貌しただけでなく、アコードにはエアロデッキと称する、こちらも斬新なスタイリングを持つハッチバックを用意し、ホンダ車らしい独自路線で、販売を増やしていくことになります。

ホンダがシビックやアコードを世に送り出す以前の国内市場は、乗用車は3ボックスセダン、商用車はステーションワゴンライトバン)というのが常識。
シビックでコンパクトハッチバックを定着させ、それをアコードやビガーのミドルクラスにまで発展させたホンダは、当時としてはかなり革新的でした。

 

 

 

 

【諸元】

 

 

 


ホンダ・アコード(2代目SY/SZ/AC/AD型)/ビガー(初代SZ/AD型)

全長×全幅×全高 4410mm×1650mm×1355/1375mm(4ドアセダン)
4210mm×1650mm×1335mm(3ドアハッチバック
ホイールベース 2450mm
乗車定員 5名
エンジン EP型 直列4気筒SOHC 1601cc(90ps/5300rpm)(~1983.6)
EY型 直列4気筒SOHC 1598cc(94ps/5800rpm)(1983.6~)
EK型 直列4気筒SOHC 1750cc(97ps/5300rpm)(~1983.6)
ES型 直列4気筒SOHC 1829cc(110ps/5800rpm)(1983.6~)
ES型 直列4気筒SOHC 1829cc(130ps/5800rpm)(1984.5~)
駆動方式 FF
トランスミッション 3AT/4AT/5MT
タイヤサイズ 6.45-13 4P
165SR13
185/70SR13