【マツダ】プレマシー(初代CP型)

マツダが1999年に発売したプレマシーは、5ナンバーサイズのコンパクトミニバン。女性でも運転しやすい手頃なサイズで、3列シート7人乗りを実現しました。

ハッチバックやハイトワゴンのようなスタイリングで、ミニバンとは思えないスタイリッシュさが特徴でした。

 
 
 
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マツダ・プレマシー(初代CP型)の歴史】

 

 

1980年代に登場した、日産・プレーリー(初代M10型)や三菱・シャリオ(初代D0型)がミニバンの祖先と言われ、ミニバンとしての初の大ヒット作は、1994年のホンダ・オデッセイ(初代RA1-5型)。
そして、5ナンバーサイズに収めたトヨタイプサム(初代XM10型)がヒットすると、先行していたプレーリーも同等サイズでモデルチェンジするなど、全長4500~4600mm程度が5ナンバーミニバンのスタンダードとなりつつありました。

一方、ファミリーカーは平日は女性が運転する機会も多いことから、さらにコンパクトなサイズに収めたミニバンを欲する声が出始めました。
3列シートを備える以上、一定の床面積が必要となるのは当然ですが、高度なパッケージングを用いることで、この難題に挑んだのがプレマシーでした。

ベースに選ばれたのは、コンパクトカーであるファミリア(9代目BJ型)。イプサムのベースはコロナプレミオ(11代目T210型)、プレーリーリバティ(3代目M12型)のベースはアベニール(2代目W11型)だったため、当初から1クラス下を狙っていたことが分かります。

エンジンは1種類で、135psの「FP-DE型(直列4気筒DOHC・1839cc)」。
トランスミッションは4速ATで、コラム式を採用しました。

ボディサイズは全長4295mm×全幅1695mm×全高1570mmで、イプサムより200mm以上も全長が短く、狭い道や限られた駐車スペースなどでも取り回しのいいサイズ。
このサイズで、3列シートでも窮屈でないパッケージングを実現したポイントは、フロア面を下げたことと、全高を十分に取ったこと。1996年に登場していたデミオ(初代DW型)で広い室内空間を実現した時と同じ手法を取りました。

シートアレンジにも工夫が詰め込まれており、3列目のシートは折り畳めるだけでなく、脱着が可能なものとしたほか、助手席と2列目のシートバックを倒すことでテーブルとして使えたり、2-3列目のフルフラット機構なども可能で、シーンに合わせて様々なアレンジが可能でした。

 
 
 
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1999年4月の発売当初からFFに加えて4WDが用意されました。
グレード体系は標準仕様のほか、豪華仕様のGパッケージと、FFのみで選べるスポーティ仕様のスポーツパッケージを設定。全てのグレードで、5人乗りの2列シート車も選ぶことが出来ました。

2000年5月には、特別仕様車「ブリーザ」を限定発売。スポーツパッケージをベースに、エアロパーツや16インチアルミホイールなどを装備しつつ、一部の装備を非装着にしたことでお得な価格を実現していました。

2000年9月には、ブリーザに装着されていたエアロパーツやアルミホイールを、スポーツパッケージに装備してスポーティさを向上させたほか、木目調パネルや15インチアルミホイールフォグランプなどを装備した、上級グレードの「Lパッケージ」を新たに設定しました。
また、このLパッケージにDVDナビや6スピーカーを装備し、寒冷地仕様とした特別仕様車「@NAVI」を限定発売。

2000年12月、特別仕様車「アストラル」シリーズを限定発売。Gパッケージをベースに充実化を図った「アストラル」や、Lパッケージをベースにした「アストラルエレガント」、スポーツパッケージをベースにした「アストラルスポーティ」の3種類が用意されました。

2001年7月にマイナーチェンジを受け、2.0Lを搭載した「スポルト」を追加しました。搭載されたのは「FS-DE型(直列4気筒DOHC・1991cc)」で、165psを発揮。
グレード体系の見直しも行われ、標準仕様は「C」となり、GパッケージとLパッケージは「G」「L」となったほか、スポルトの設定に伴いスポーツパッケージは廃止されました。

2001年10月には、Gをベースに、SUV風の外装を纏った「フィールドブレイク」を限定発売。
さらに12月には、Gをベースに、スポルトの外観を纏った「Gスポーツ」も限定発売しました。

 
 
 
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2002年6月には2回目のマイナーチェンジ。3列目シートはフラット格納が可能となり、1.8Lエンジンの燃費性能を向上させました。上級グレードのLでも2.0Lエンジンを選択可能となったほか、グレード体系の見直しやカラーバリエーションの充実化を図りました。また、5人乗り仕様はCのみの設定となりました。

2002年11月には、Gとスポルトをベースに、ディスチャージヘッドランプやエアロパーツを装備した特別限定車「1.8 スポルトG」「2.0 スポルトS」を発売。

2003年7月、スポルトをベースに装備省略によって安価にした「2.0 スポルトf」、Gの1.8L車をベースに装備を充実させながら価格を据え置いた「1.8 スポルトf」、5人乗りのCをベースに装備を充実させながら価格を据え置いた「1.8 G-f」を限定発売しました。

そして2005年2月に2代目CR型へフルモデルチェンジとなりました。2代目では、ファミリアの後継車であるアクセラ(初代BK型)にベースが変わり、アクセラと同様に3ナンバーとなりました。全長もライバル他車と同等の4500mm程度まで延長され、トヨタ・ウィッシュ(初代AE10型)やホンダ・ストリーム(初代RN1-5型)などの、売れ筋の強力なライバルに対抗することになりました。

コンパクトな全長ながら、広い室内空間を実現した優れたパッケージングで、安定した販売成績を収めたほか、その空間を生かして福祉車両などもラインナップされました。
決してミニバンを代表するようなモデルにはなりませんでしたが、後年にヒットすることになる、トヨタシエンタホンダ・フリードなどの、コンパクトミニバンにも大きな影響を与えました。

 

 

 

 

【諸元】

 

 

マツダ・プレマシー(初代CP型)

全長×全幅×全高 4295/4305/4320mm×1695mm×1570/1590mm(~2001.7)
4315/4340/4345mm×1695mm×1570/1590mm(2001.7~2002.6)
4315/4340/4345mm×1695mm×1580/1590mm(2002.6~)
4365/4370mm×1695mm×1620mm(フィールドブレイク)
ホイールベース 2670mm
乗車定員 5/7名
エンジン FP-DE型 直列4気筒DOHC 1839cc(135ps/6200rpm)
FS-DE型 直列4気筒DOHC 1991cc(165ps/6800rpm)(2001.7~2002.6)
FS-ZE型 直列4気筒DOHC 1991cc(165ps/6800rpm)(2002.6~)
駆動方式 FF/4WD
トランスミッション 4AT
タイヤサイズ 185/65R14
195/65R14
195/55R15
195/60R15
195/50R16
205/45R17