【ダイハツ】シャレード(初代G10型)

軽自動車より少し大きい、5ドアハッチバック。そのサイズ感が受けて、大ヒットを記録した初代シャレード

「リッターカー」という言葉を生み出したシャレードは、今にも続く、日本のコンパクトカーの歴史の一歩を踏み出したクルマです。

 
 
 
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 【シャレード(初代G10型)の歴史】

 

 

 

 

 

 

ダイハツの小型乗用車は、1967年のトヨタとの業務提携以来、OEM車種をメインに販売してきました。1969年に発売されたコンソルテが初の提携車で、2代目パブリカのOEMでした。コンソルテの陳腐化や、ヨーロッパではハッチバックの主流がFFになりつつあったこともあり、提携後初のダイハツ自社設計の小型乗用車として開発したのが、初代シャレードです。

まだトヨタスターレットがFRレイアウトを採用(1978年登場の2代目でもFR)する中、1977年に発売されたシャレードは欧州車に倣ってFFを採用。横置きエンジンのためボンネットを短くすることができたことや、フラットな床面を実現したことで、全長3460mmの小さなボディながら、室内の広さを確保することに成功。その実現に一役買う形になったのは、量産4ストロークエンジンでは初となる3気筒エンジンを搭載したこと。このコンセプトこそ、現代のコンパクトカーの原点であると言えると思います。

横置きに搭載されたのは「CB型(直列3気筒SOHC・993cc)」で55psを発揮。4ストロークにおける直列3気筒エンジンは、振動特性が良くないため、乗用車には向かないとされていました。奇数の気筒数の場合、お互いの振動を打ち消し合うにはバランスが悪いため、エンジン自体の振動が多くなってしまいます。しかしダイハツは、一般的な直列4気筒よりも短くすることができる3気筒を採用し、振動抑制対策としては、クランクシャフトと並行に配置するバランスシャフトを付けることで解決。小型FF車に搭載しやすい直列3気筒エンジンは、シャレードでの成功以降、軽自動車や小型乗用車で多く採用されることになりました。

 
 
 
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全長3460mm×全幅1510mm×全高1360mmのボディサイズは、キャッチコピーを「5平米カー」としたことからも分かるように、非常にコンパクト。やや背が高いパッケージングで、広い室内を実現しました。

1977年11月の発売当時は、「XTE」「XGE」「XT」「XG」「XO」の5グレード。

1978年9月には、「クーペ」と呼ぶ3ドアハッチバックを追加しました。独特な形状のリアクォーターウインドウと、Cピラーの「マリンウインドウ」と呼ばれる丸い窓が特徴。

1979年のマイナーチェンジでは、グリルデザインの変更と、エンジンが変更(クーペ全車と5ドアXTE)され、「CB-31型(直列3気筒SOHC・993cc)」は60psを発揮しました。

1980年には2度目のマイナーチェンジが行われ、トレードマークであった丸型2灯式ヘッドライトが角形2灯式に、リアコンビネーションランプのデザインも変更されました。2速ATを装備した「CB-32型(直列3気筒SOHC・993cc)」搭載モデルも登場。女性向けグレードの5ドア「XGL」、装備を充実させた5ドア「XGC」とクーペ「XGL」を追加しました。

 
 
 
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1981年、再度マイナーチェンジが実施され、内外装を変更すると共に、グレードが整理され、XOとクーペXGLはこの時廃止されました。一方、5ドアにはスポーティモデルとなる「XTS」を、XOに変わる廉価グレードとして「XD」を追加しました。

1983年、2代目シャレード(G11型)のデビューと共に、初代は販売終了。以降4代目までモデルチェンジが行われ、その後はストーリア、ブーンと系譜が続いています。
かつてOEM関係にあったパブリカは、スターレットを経てヴィッツ(ヤリス)へと続き、ブーンのOEMであるトヨタ・パッソとは、似て非なる道を歩むことになりました。

シャレードが作った「リッターカー」文化。それは単純に1.0L級のクルマを開発したということではなく、3気筒エンジンの量産化によって、コンパクトなサイズながら室内の広さを実現し、全長3.5m級の扱いやすい小型車でも大人がゆったり乗れることを証明することができた、という大きな一歩だったことが分かります。

 

【諸元】

 

 

 

 

ダイハツシャレード(初代G10型)

全長×全幅×全高 3460mm×1510mm×1360mm
ホイールベース 2300mm
乗車定員 5名
エンジン CB型 直列3気筒SOHC 993cc(55ps/5500rpm)
CB-10型 直列3気筒SOHC 993cc(55ps/5500rpm)
CB-11型 直列3気筒SOHC 993cc(55ps/5500rpm)
CB-31型 直列3気筒SOHC 993cc(60ps/5600rpm)
CB-32型 直列3気筒SOHC 993cc(60ps/5600rpm)
駆動方式 FF
トランスミッション 4MT/5MT/2AT
タイヤサイズ 6.00-12 4P
155SR12