【日産】ダットサン・ブルーバード(初代310型)

日産自動車は、1955年に発売されたダットサン乗用車(110型)、1957年にモデルチェンジされたダットサン1000(210型)で、対抗馬として1957年にトヨタから発売されたトヨペット・コロナ(T10型)を販売面で圧倒し、小型タクシーで親しまれていました。

1959年8月、210型の後継車種として発売されたのが「ダットサン・ブルーバード」。のちに熾烈な販売競争を繰り広げる「BC戦争」の幕が明けました。 

 
 
 
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【310型ブルーバードの歴史】

先代の210型と比較して、全長と全幅がそれぞれ50mmと30mm大きく、全高が55mm低いスタイルを持ち、デビュー当初は4ドアセダンのみが用意されました。
ラダーフレームセミモノコックボディを組み合わせて、軽量化と強度確保が図られています。デザインは210型を踏襲したものですが、テールランプの独特な形状から、「柿の種」の相性で親しまれました。

エンジンは210型から踏襲された「C1型(直列4気筒OHV・988cc)」が搭載され、ほどなくして「E1型(1189cc)」が追加されています。
グレードは1.0Lは「STD」、1.2Lは「STD」と「DX」が設定され、主に1.0Lはタクシー向け、1.2Lはオーナードライバー向けをターゲットとしていました。

発売から2ヶ月後の10月には、タクシー業界からの要望を受け、後席座席幅を拡大して2名掛から3名掛に変更し、乗車定員5名となりました。

 
 
 
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1960年7月には、日本初となるエステートワゴンが発売されました(バンは未設定)。
その後10月のマイナーチェンジでは、1.0L、1.2Lともに出力が向上され、トランスミッションが日本初のフルシンクロメッシュへ変更されるなど、型式は311型となります。

1961年2月には日本初の女性仕様車となる「ファンシーデラックス」が追加されました。専用ボディカラーとインテリアカラーの設定や、フォグランプの標準装備、オルゴール音のウインカー作動音、サンバイザーに組み込まれたバニティミラー、傘立てやハイヒール立てなど、30以上の専用装備が備わっていました。まだ女性ドライバーが少ない時代で、販売台数は多くありませんでしたが、ブルーバードのイメージ向上に大いに貢献しました。

 
 
 
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1961年8月のマイナーチェンジでは、フロントグリルやテールランプの意匠や、メーターパネルなどの内装も変更され、312型となりました。

1962年2月、「サキソマット」と呼ばれるオートクラッチ機構をオプション設定しました。これは、吸気管の負圧を利用し、シフトレバー操作時や低回転時に自動でクラッチを切るものです。

同年9月のマイナーチェンジで、フロントグリルやテールランプが再度変更されます。

1963年には、サファリラリーへ参戦しました。のちにブルーバードは、サファリラリーで大活躍することになりますが、この年は残念ながら2台ともリタイアとなっています。

1963年9月、フルモデルチェンジを受け、2代目410型へ移行することになります。

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初代310型は、約4年の間に約21万台が生産され、当時の同一車種での生産台数では新記録を記録し、
日本の小型乗用車の礎を築いた大きなモデルだったと言えます。

 
 
 
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【諸元】

 ダットサン・ブルーバード(310)

全長×全幅×全高 3860mm×1496mm×1480mm
ホイールベース 2280mm
車両重量 870kg
乗車定員 5名(初期型のみ4名)
エンジン C1型 直列4気筒OHV 988cc(34ps/4400rpm)
E1型 直列4気筒OHV 1189cc(43ps/4400rpm)
駆動方式 FR
トランスミッション 3MT
タイヤサイズ 5.60-13 4P